2015.9.23
夜のさなかだ。
暗いうちの出発のために目覚め、トイレに行こうとすると、漆黒の通路で、かの知り合いは、星空撮影に余念がない。
いったい、寝たのだろうか。

テントを畳み、真っ暗な中、声をかけて、出発する。前日の出発と同じ、3時15分だ。
林の中の急登をまっすぐ登っていく。ヘッドライトに照らされた、限られた視界の中で、ちいさな山の世界が息づく。
そういえば、昨年は、雨の中、撤退の足を急いだ道だったな。ここは。
一時間ほど登って、森林限界は越えているが、いまだ暗く、視界は効かない。
昨年辿った記憶を追い、幅広い稜線を三俣蓮華岳へと向かう。
薄明りで、稜線がうっすら見えるようになってくる。
左側は、切り立ったカール壁のはずだが、その姿は実感できない。
前方に、暁の東の空を背景に、ワリモ岳と鷲羽岳がわかる。

ヘッドライトで、三俣蓮華岳の頂上への指導標を確認する。

いまだ薄暗い、三俣蓮華岳頂上で、数人の登山者と会う。三俣山荘泊りの人たちだろう。
五時過ぎた。

双六への道に入る。

あの、槍を、今日は目指す。

黒部五郎を振り返ってみる。

日の出はあのあたりか、燕岳の稜線だ。

北を見る。
手前の鷲羽岳、ワリモ岳から、水晶岳、赤牛岳の稜線が伸び、その向こうに、遠く、立山と劒が見えている。
何日もかけて、歩いてきたんだ。


劔岳と立山。
手前、三俣蓮華の頂上の登山者と、右に赤牛岳が見えている。

薬師岳だ。二日前にあの頂を踏んだ。

雲海に浮かぶ、加賀の白山。

いずれは再訪したい、笠ヶ岳。

双六岳へは稜線を辿る。

雲の上から、朝日が顔を出す。
ようやく、日の光に包まれる。



双六岳の、のびやかな稜線。

朝靄の向こうに、燕岳、餓鬼岳。

中道の分岐だ。ここは、頂上を踏んでいく。



朝日を浴びる、北鎌尾根。

餓鬼岳、唐沢岳。

大天井岳から燕岳の表銀座が伸びている。



槍が岳へのプロムナード。


双六岳を振り返って、見る。

三俣蓮華岳、祖父岳、水晶岳。こっちからみると、水晶岳は、別名の黒岳が似合う気がする。

餓鬼岳、唐沢岳のアップ。いずれ、行こう。


巻き道の分岐だ。双六小屋はもうすぐのはず。


双六小屋前。朝食をとる。7時過ぎ。でも、もう4時間歩いている。
トイレと水くみ。

双六池とテント場、そして奥に笠ヶ岳。

笠ヶ岳のアップ。

双六小屋を後に、西鎌尾根を登り始める。
振り返る、三俣蓮華岳。


双六岳と、双六小屋。

こちらは、三俣山荘。

鷲羽岳から、野口五郎岳

鷲羽岳と、祖父岳と、三俣蓮華岳。

45分ほどで、樅沢岳に登りつく。
この西鎌尾根、これからいくつものピークを登下降していくが、残念ながら、槍ヶ岳の登りが始まる千丈乗越あたりと、
ここでは標高があまり変わらない。
ちっとも、高度を稼げない、西鎌尾根。



焼岳、乗鞍岳、御岳

表銀座の蛙岩がわかるね。






望遠で見た、鏡平小屋。




登っては、下り、延々と、それを繰り返すのだ。
日が照り付け、暑い。
でも、抜ける青空、草紅葉、きれいだね。

まだまだ、登り、下りは続く。





硫黄尾根近く。確かに、硫黄のにおいがしたよ。


荒々しい、硫黄尾根。隣が北鎌尾根で、その向こうが、大天井岳だ。

あと、4.8キロだそうだ。

硫黄乗越から。後ろに見えている、野口五郎から鷲羽岳への裏銀座縦走路も、大展望だろうな。

焼岳と乗鞍岳のアップ。


高瀬川へと落ちていく、沢。横切っている稜線は、竹村新道だ。


硫黄尾根のごつごつ。

大槍と、北鎌尾根。

まだ、まだ・・・


左俣乗越。蒲田川左俣の源頭らしい。
出発してから6時間半。疲れてきた。座ると、10分くらい居座ってしまう。


いよいよ、槍が大きくなってきた。


北鎌尾根の独標だ。

独標から大槍への稜線。さすがに、北鎌尾根。

千丈沢。奥は、燕岳だ。



野口五郎岳と、むこうに針ノ木岳も。


岩稜帯に鎖がある。けっこう疲れて、慎重になる。

大槍を眺めながら、10分ほど座り込む。

あとは、登りあげるだけかあ・・

ガスが下りてくる。

やっと、千丈乗越だ。下ろうと思えば、槍平に下れる。

望遠で、槍ヶ岳山荘の裏を覗く。

飛騨沢の登山道が、ジグザグにきれいに見えているよ。

さあ、さあ、今回の縦走、最後の登りだ。
じっくり、じっくり、最高点へと登っていこう。

槍のてっぺんに人がたくさんいるよ。

見下ろす。
登ってきた、登ってきた。

最後のジグザグに入った。
うーん、12時過ぎた。

もう、ちょっとだ。
でも、曇ってきた。

きたーーーーっ、槍の肩、とうちゃーく。

おおっ、稜線を越えて、向こう側が見えた。
この瞬間て、感激するな。
真正面の常念岳のピラミッドが美しい。


しばし、ひと時を、憩う。
さすがの槍ヶ岳山荘も、ビールの350ml缶以外の飲料は、すべて完売とのこと。
いや、ビールさえあればいいよね。
穂先を眺め、呆然とする。
いや、歩いてきたもんだなと。

つづく。。
夜のさなかだ。
暗いうちの出発のために目覚め、トイレに行こうとすると、漆黒の通路で、かの知り合いは、星空撮影に余念がない。
いったい、寝たのだろうか。

テントを畳み、真っ暗な中、声をかけて、出発する。前日の出発と同じ、3時15分だ。
林の中の急登をまっすぐ登っていく。ヘッドライトに照らされた、限られた視界の中で、ちいさな山の世界が息づく。
そういえば、昨年は、雨の中、撤退の足を急いだ道だったな。ここは。
一時間ほど登って、森林限界は越えているが、いまだ暗く、視界は効かない。
昨年辿った記憶を追い、幅広い稜線を三俣蓮華岳へと向かう。
薄明りで、稜線がうっすら見えるようになってくる。
左側は、切り立ったカール壁のはずだが、その姿は実感できない。
前方に、暁の東の空を背景に、ワリモ岳と鷲羽岳がわかる。

ヘッドライトで、三俣蓮華岳の頂上への指導標を確認する。

いまだ薄暗い、三俣蓮華岳頂上で、数人の登山者と会う。三俣山荘泊りの人たちだろう。
五時過ぎた。

双六への道に入る。

あの、槍を、今日は目指す。

黒部五郎を振り返ってみる。

日の出はあのあたりか、燕岳の稜線だ。

北を見る。
手前の鷲羽岳、ワリモ岳から、水晶岳、赤牛岳の稜線が伸び、その向こうに、遠く、立山と劒が見えている。
何日もかけて、歩いてきたんだ。


劔岳と立山。
手前、三俣蓮華の頂上の登山者と、右に赤牛岳が見えている。

薬師岳だ。二日前にあの頂を踏んだ。

雲海に浮かぶ、加賀の白山。

いずれは再訪したい、笠ヶ岳。

双六岳へは稜線を辿る。

雲の上から、朝日が顔を出す。
ようやく、日の光に包まれる。



双六岳の、のびやかな稜線。

朝靄の向こうに、燕岳、餓鬼岳。

中道の分岐だ。ここは、頂上を踏んでいく。



朝日を浴びる、北鎌尾根。

餓鬼岳、唐沢岳。

大天井岳から燕岳の表銀座が伸びている。



槍が岳へのプロムナード。


双六岳を振り返って、見る。

三俣蓮華岳、祖父岳、水晶岳。こっちからみると、水晶岳は、別名の黒岳が似合う気がする。

餓鬼岳、唐沢岳のアップ。いずれ、行こう。


巻き道の分岐だ。双六小屋はもうすぐのはず。


双六小屋前。朝食をとる。7時過ぎ。でも、もう4時間歩いている。
トイレと水くみ。

双六池とテント場、そして奥に笠ヶ岳。

笠ヶ岳のアップ。

双六小屋を後に、西鎌尾根を登り始める。
振り返る、三俣蓮華岳。


双六岳と、双六小屋。

こちらは、三俣山荘。

鷲羽岳から、野口五郎岳

鷲羽岳と、祖父岳と、三俣蓮華岳。

45分ほどで、樅沢岳に登りつく。
この西鎌尾根、これからいくつものピークを登下降していくが、残念ながら、槍ヶ岳の登りが始まる千丈乗越あたりと、
ここでは標高があまり変わらない。
ちっとも、高度を稼げない、西鎌尾根。



焼岳、乗鞍岳、御岳

表銀座の蛙岩がわかるね。






望遠で見た、鏡平小屋。




登っては、下り、延々と、それを繰り返すのだ。
日が照り付け、暑い。
でも、抜ける青空、草紅葉、きれいだね。

まだまだ、登り、下りは続く。





硫黄尾根近く。確かに、硫黄のにおいがしたよ。


荒々しい、硫黄尾根。隣が北鎌尾根で、その向こうが、大天井岳だ。

あと、4.8キロだそうだ。

硫黄乗越から。後ろに見えている、野口五郎から鷲羽岳への裏銀座縦走路も、大展望だろうな。

焼岳と乗鞍岳のアップ。


高瀬川へと落ちていく、沢。横切っている稜線は、竹村新道だ。


硫黄尾根のごつごつ。

大槍と、北鎌尾根。

まだ、まだ・・・


左俣乗越。蒲田川左俣の源頭らしい。
出発してから6時間半。疲れてきた。座ると、10分くらい居座ってしまう。


いよいよ、槍が大きくなってきた。


北鎌尾根の独標だ。

独標から大槍への稜線。さすがに、北鎌尾根。

千丈沢。奥は、燕岳だ。



野口五郎岳と、むこうに針ノ木岳も。


岩稜帯に鎖がある。けっこう疲れて、慎重になる。

大槍を眺めながら、10分ほど座り込む。

あとは、登りあげるだけかあ・・

ガスが下りてくる。

やっと、千丈乗越だ。下ろうと思えば、槍平に下れる。

望遠で、槍ヶ岳山荘の裏を覗く。

飛騨沢の登山道が、ジグザグにきれいに見えているよ。

さあ、さあ、今回の縦走、最後の登りだ。
じっくり、じっくり、最高点へと登っていこう。

槍のてっぺんに人がたくさんいるよ。

見下ろす。
登ってきた、登ってきた。

最後のジグザグに入った。
うーん、12時過ぎた。

もう、ちょっとだ。
でも、曇ってきた。

きたーーーーっ、槍の肩、とうちゃーく。

おおっ、稜線を越えて、向こう側が見えた。
この瞬間て、感激するな。
真正面の常念岳のピラミッドが美しい。


しばし、ひと時を、憩う。
さすがの槍ヶ岳山荘も、ビールの350ml缶以外の飲料は、すべて完売とのこと。
いや、ビールさえあればいいよね。
穂先を眺め、呆然とする。
いや、歩いてきたもんだなと。

つづく。。
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