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22 2016

秘めた憧れの実現~立山から槍へ その⑤言葉にならない、払暁の宇宙~太郎平から黒部五郎を越えて

2015.9.22


いまだ闇の中、テントをたたむ。
露でびっしょりのテントを絞るように、無理やり、ザックに押し込む。
ポツンポツンと、明かりをともすテントがみえる。

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昨日より、30分早く、3:15に歩き出す。

冷え込んだ未明の大気は、手をかじかませる。
そして、木道は白く霜に覆われている。

太郎平小屋

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太郎平、いまだ、その大地の美しさを知らないが、いま、初めて歩く、その場所は、漆黒の闇の中。
星空、一点の雲もないように見える。

足元に続く木道、覆った霜で、スリップしそうになるが、リズム良く、フラットな足運びで、速足を続ける。

傾斜はほとんど感じられない緩やかな登り。

ヘッドライトの明かりだけが、ここが大地の登山道であろうことを、映し出す。


そして、徐々に傾斜を登っていく。ゆるやかに。

目の前に、漆黒の中の山々の波が、群青の空に、かすかに目に入る。


さらに、漆黒と群青の間に、白く、そして赤を思わせる、帯が、少しずつ、その明るさを増してくる。


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暗さに慣れた目には、行く手の緩やかな大地の盛り上がりが見える。


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目に映る、山並みの、奥に、するどい突き刺さりが見える。槍ヶ岳なのだ。


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群青の一段下に、明るさを増した帯が、周りを取り囲むように延びていく。

おお、これは、北アルプスの全山。。。。

それが、自分の周囲に360度、包み込むように、目に映る。

なんということだ、この黎明に、自分一人、取り囲まれ、包まれて、すべての大地が、世界を覆いつくす。。

足が止まった。体が震えた。

まるで、世の始まりを見たような気がした。

なんという光景だ。






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笠ヶ岳、乗鞍岳、御岳山





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ほの明るくなって、北ノ股岳につく。





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雲海のかなたに、加賀の白山が浮島のように見えている。




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御岳山、




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大天井岳





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槍ヶ岳、大喰岳、中岳



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高山から、濃尾平野が広がっているのだろう。
こうした光景は、ここに来て、初めてみる。

山は、旅。

何がどこから、どんなに見えるのか。地球の旅。





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水晶、鷲羽の稜線から、朝の太陽が顔を出す。

まさしく、世界の夜明けだ。




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堂々とした、存在感は、薬師岳の山塊


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朝日を浴びる、北ノ股岳を振り返る。


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目指す、黒部五郎岳。


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加賀白山のクローズアップ


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薬師岳


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薬師、赤牛の、両側の山塊の間に、遠く、後立山の山が見える。








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黒部五郎が近づく。


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鹿島槍ヶ岳(右)と五竜岳(左)。


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池塘に、薄氷が張っている。そんなに冷えたのか・・9月は、秋のただなか。


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たどってきた、たおやかな稜線




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薬師の稜線に、薬師岳小屋がポツンと張り付いている。







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遠くに、白馬三山も見えてきた。




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さて、今日のメインイベント、黒部五郎岳へ一気に登ろう。





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左前方を見ると、奥に水晶岳、手前に雲の平、右に、ワリモ岳、鷲羽岳が連なっている。

北アルプスの真ん中まで来たぞ。





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水晶岳の双耳峰と、手前に雲の平とその小屋。




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でっかい薬師岳と、その向こうに、劒が見えている。

素晴らしい、快晴だ。なんて日だ。


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剱岳と、右に大きな、立山。

あそこから来たんだ。





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こちらは白馬と後立山連峰だ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳、唐松岳。




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快調に登る。調子は最高だ。

もうすぐ頂稜だ。

結構、人が行き来している。さすが、シルバーウイークだ。









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雄大だなあ・・





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おっと、頂稜に出たら、知った顔の面々と出会った。雲の平で遊んでいたとのこと。ほかの仲間もいたらしい。

さすが、シルバーウイーク。

一緒に記念写真。




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ザックをデポし、下山するみんなに見送られて、頂上へ。


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ガスガスと、雨に降られた昨年とは、打って変わった、黒部五郎の頂上。

やっと念願かなったな。




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見下ろす黒部五郎のカールと、雲の平、水晶から、ワリモ、鷲羽、そして三俣蓮華の稜線。

すごいなあ・・溜息出る。


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めざす、黒部五郎小舎が見えている。


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水晶岳から赤牛へと続く稜線の向こうに見えているのは、蓮華岳

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水晶岳は、荒々しい。


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剣、立山、後立山連峰


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南に目を転じると、笠ヶ岳から乗鞍岳、御岳山と、ひろーく、山が広がっている。

今日は最高の日だね。


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もういっかい、劔岳と立山。

ここに見えている、稜線をくねくね、たどってきたんだね。


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白馬の山々のアップ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳




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薬師岳はでかい。




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あした辿るのは、こちら。三俣蓮華へ。


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槍穂高連峰、言わずと知れた。





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笠ヶ岳から、乗鞍、御岳山のアップ


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白山。。




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黒部五郎の稜線ルート。去年は風の中、雨の前に何とか登頂しようと、暗いうちから登ってきたんだ。頂上直前に雨が来て、
速攻、頂上分踏んで、カールを駆け下ったんだった。そして五郎の小屋で荷物持って、新穂高へと一気に下山したんだ。




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さあ、カールへ下ろう。


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つづく


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