2015.9.22
いまだ闇の中、テントをたたむ。
露でびっしょりのテントを絞るように、無理やり、ザックに押し込む。
ポツンポツンと、明かりをともすテントがみえる。

昨日より、30分早く、3:15に歩き出す。
冷え込んだ未明の大気は、手をかじかませる。
そして、木道は白く霜に覆われている。
太郎平小屋


太郎平、いまだ、その大地の美しさを知らないが、いま、初めて歩く、その場所は、漆黒の闇の中。
星空、一点の雲もないように見える。
足元に続く木道、覆った霜で、スリップしそうになるが、リズム良く、フラットな足運びで、速足を続ける。
傾斜はほとんど感じられない緩やかな登り。
ヘッドライトの明かりだけが、ここが大地の登山道であろうことを、映し出す。
そして、徐々に傾斜を登っていく。ゆるやかに。
目の前に、漆黒の中の山々の波が、群青の空に、かすかに目に入る。
さらに、漆黒と群青の間に、白く、そして赤を思わせる、帯が、少しずつ、その明るさを増してくる。

暗さに慣れた目には、行く手の緩やかな大地の盛り上がりが見える。

目に映る、山並みの、奥に、するどい突き刺さりが見える。槍ヶ岳なのだ。

群青の一段下に、明るさを増した帯が、周りを取り囲むように延びていく。
おお、これは、北アルプスの全山。。。。
それが、自分の周囲に360度、包み込むように、目に映る。
なんということだ、この黎明に、自分一人、取り囲まれ、包まれて、すべての大地が、世界を覆いつくす。。
足が止まった。体が震えた。
まるで、世の始まりを見たような気がした。
なんという光景だ。


笠ヶ岳、乗鞍岳、御岳山


ほの明るくなって、北ノ股岳につく。

雲海のかなたに、加賀の白山が浮島のように見えている。


御岳山、

大天井岳

槍ヶ岳、大喰岳、中岳

高山から、濃尾平野が広がっているのだろう。
こうした光景は、ここに来て、初めてみる。
山は、旅。
何がどこから、どんなに見えるのか。地球の旅。

水晶、鷲羽の稜線から、朝の太陽が顔を出す。
まさしく、世界の夜明けだ。



堂々とした、存在感は、薬師岳の山塊

朝日を浴びる、北ノ股岳を振り返る。

目指す、黒部五郎岳。

加賀白山のクローズアップ

薬師岳

薬師、赤牛の、両側の山塊の間に、遠く、後立山の山が見える。



黒部五郎が近づく。





鹿島槍ヶ岳(右)と五竜岳(左)。



池塘に、薄氷が張っている。そんなに冷えたのか・・9月は、秋のただなか。

たどってきた、たおやかな稜線

薬師の稜線に、薬師岳小屋がポツンと張り付いている。


遠くに、白馬三山も見えてきた。

さて、今日のメインイベント、黒部五郎岳へ一気に登ろう。


左前方を見ると、奥に水晶岳、手前に雲の平、右に、ワリモ岳、鷲羽岳が連なっている。
北アルプスの真ん中まで来たぞ。



水晶岳の双耳峰と、手前に雲の平とその小屋。


でっかい薬師岳と、その向こうに、劒が見えている。
素晴らしい、快晴だ。なんて日だ。

剱岳と、右に大きな、立山。
あそこから来たんだ。

こちらは白馬と後立山連峰だ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳、唐松岳。

快調に登る。調子は最高だ。
もうすぐ頂稜だ。
結構、人が行き来している。さすが、シルバーウイークだ。

雄大だなあ・・

おっと、頂稜に出たら、知った顔の面々と出会った。雲の平で遊んでいたとのこと。ほかの仲間もいたらしい。
さすが、シルバーウイーク。
一緒に記念写真。

ザックをデポし、下山するみんなに見送られて、頂上へ。

ガスガスと、雨に降られた昨年とは、打って変わった、黒部五郎の頂上。
やっと念願かなったな。

見下ろす黒部五郎のカールと、雲の平、水晶から、ワリモ、鷲羽、そして三俣蓮華の稜線。
すごいなあ・・溜息出る。

めざす、黒部五郎小舎が見えている。


水晶岳から赤牛へと続く稜線の向こうに見えているのは、蓮華岳

水晶岳は、荒々しい。

剣、立山、後立山連峰

南に目を転じると、笠ヶ岳から乗鞍岳、御岳山と、ひろーく、山が広がっている。
今日は最高の日だね。

もういっかい、劔岳と立山。
ここに見えている、稜線をくねくね、たどってきたんだね。

白馬の山々のアップ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳

薬師岳はでかい。

あした辿るのは、こちら。三俣蓮華へ。

槍穂高連峰、言わずと知れた。

笠ヶ岳から、乗鞍、御岳山のアップ

白山。。

黒部五郎の稜線ルート。去年は風の中、雨の前に何とか登頂しようと、暗いうちから登ってきたんだ。頂上直前に雨が来て、
速攻、頂上分踏んで、カールを駆け下ったんだった。そして五郎の小屋で荷物持って、新穂高へと一気に下山したんだ。


さあ、カールへ下ろう。




つづく
いまだ闇の中、テントをたたむ。
露でびっしょりのテントを絞るように、無理やり、ザックに押し込む。
ポツンポツンと、明かりをともすテントがみえる。

昨日より、30分早く、3:15に歩き出す。
冷え込んだ未明の大気は、手をかじかませる。
そして、木道は白く霜に覆われている。
太郎平小屋


太郎平、いまだ、その大地の美しさを知らないが、いま、初めて歩く、その場所は、漆黒の闇の中。
星空、一点の雲もないように見える。
足元に続く木道、覆った霜で、スリップしそうになるが、リズム良く、フラットな足運びで、速足を続ける。
傾斜はほとんど感じられない緩やかな登り。
ヘッドライトの明かりだけが、ここが大地の登山道であろうことを、映し出す。
そして、徐々に傾斜を登っていく。ゆるやかに。
目の前に、漆黒の中の山々の波が、群青の空に、かすかに目に入る。
さらに、漆黒と群青の間に、白く、そして赤を思わせる、帯が、少しずつ、その明るさを増してくる。

暗さに慣れた目には、行く手の緩やかな大地の盛り上がりが見える。

目に映る、山並みの、奥に、するどい突き刺さりが見える。槍ヶ岳なのだ。

群青の一段下に、明るさを増した帯が、周りを取り囲むように延びていく。
おお、これは、北アルプスの全山。。。。
それが、自分の周囲に360度、包み込むように、目に映る。
なんということだ、この黎明に、自分一人、取り囲まれ、包まれて、すべての大地が、世界を覆いつくす。。
足が止まった。体が震えた。
まるで、世の始まりを見たような気がした。
なんという光景だ。


笠ヶ岳、乗鞍岳、御岳山


ほの明るくなって、北ノ股岳につく。

雲海のかなたに、加賀の白山が浮島のように見えている。


御岳山、

大天井岳

槍ヶ岳、大喰岳、中岳

高山から、濃尾平野が広がっているのだろう。
こうした光景は、ここに来て、初めてみる。
山は、旅。
何がどこから、どんなに見えるのか。地球の旅。

水晶、鷲羽の稜線から、朝の太陽が顔を出す。
まさしく、世界の夜明けだ。



堂々とした、存在感は、薬師岳の山塊

朝日を浴びる、北ノ股岳を振り返る。

目指す、黒部五郎岳。

加賀白山のクローズアップ

薬師岳

薬師、赤牛の、両側の山塊の間に、遠く、後立山の山が見える。



黒部五郎が近づく。





鹿島槍ヶ岳(右)と五竜岳(左)。



池塘に、薄氷が張っている。そんなに冷えたのか・・9月は、秋のただなか。

たどってきた、たおやかな稜線

薬師の稜線に、薬師岳小屋がポツンと張り付いている。


遠くに、白馬三山も見えてきた。

さて、今日のメインイベント、黒部五郎岳へ一気に登ろう。


左前方を見ると、奥に水晶岳、手前に雲の平、右に、ワリモ岳、鷲羽岳が連なっている。
北アルプスの真ん中まで来たぞ。



水晶岳の双耳峰と、手前に雲の平とその小屋。


でっかい薬師岳と、その向こうに、劒が見えている。
素晴らしい、快晴だ。なんて日だ。

剱岳と、右に大きな、立山。
あそこから来たんだ。

こちらは白馬と後立山連峰だ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳、唐松岳。

快調に登る。調子は最高だ。
もうすぐ頂稜だ。
結構、人が行き来している。さすが、シルバーウイークだ。

雄大だなあ・・

おっと、頂稜に出たら、知った顔の面々と出会った。雲の平で遊んでいたとのこと。ほかの仲間もいたらしい。
さすが、シルバーウイーク。
一緒に記念写真。

ザックをデポし、下山するみんなに見送られて、頂上へ。

ガスガスと、雨に降られた昨年とは、打って変わった、黒部五郎の頂上。
やっと念願かなったな。

見下ろす黒部五郎のカールと、雲の平、水晶から、ワリモ、鷲羽、そして三俣蓮華の稜線。
すごいなあ・・溜息出る。

めざす、黒部五郎小舎が見えている。


水晶岳から赤牛へと続く稜線の向こうに見えているのは、蓮華岳

水晶岳は、荒々しい。

剣、立山、後立山連峰

南に目を転じると、笠ヶ岳から乗鞍岳、御岳山と、ひろーく、山が広がっている。
今日は最高の日だね。

もういっかい、劔岳と立山。
ここに見えている、稜線をくねくね、たどってきたんだね。

白馬の山々のアップ。旭岳、白馬岳、白馬鑓が岳、天狗岳

薬師岳はでかい。

あした辿るのは、こちら。三俣蓮華へ。

槍穂高連峰、言わずと知れた。

笠ヶ岳から、乗鞍、御岳山のアップ

白山。。

黒部五郎の稜線ルート。去年は風の中、雨の前に何とか登頂しようと、暗いうちから登ってきたんだ。頂上直前に雨が来て、
速攻、頂上分踏んで、カールを駆け下ったんだった。そして五郎の小屋で荷物持って、新穂高へと一気に下山したんだ。


さあ、カールへ下ろう。




つづく
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