中央アルプスに登るのは、40年ぶりになる。それも今度は二度目だ。
友人と誘い合わせて登ったのは9月末の事で、すっかりお天気が悪かった。
ロープウエイであがり、千畳敷から木曽駒、宝剣岳を目指すはずだったが、雨は大して降らなかったものの、濃いガスで何も見えなかった。
木曽駒のピークも宝剣の頂も、白い背景の中に過ぎなかった。
とまったのは宝剣山荘。買ったばかりの灯油コンロマナスルを使いあぐねたのを覚えている。
そういえば、コッヘルも初めて買ったものだった。
あれから幾星霜。
それほど大げさではないが、とんと行く機会はなかった。場所が中途半端で行きにくい気がしていたこと、ロープウエイ経由ならハードルは低いが、混んでいるだろうこと、それより南はハードな印象がある。
交通の便も,良いとは言えない。
そんな中央アルプスにひょんな機会が巡ってきた。
以前facebookの山好きグループのイベントで八ヶ岳に登った際に、仲良くなったグループが、中央アルプスで再会登山をするというのだ。直接彼らのチームではないが、最後尾のけつもちリーダーをしていたせいで、ラストにいたそのチームの皆さんとは同一行動をしていたようなものだ。
では、直接お誘いはされていないが、現場でばったりすればよい。
そして別のコースに登れば、出会いだけで済む。
というわけで、ロープウエイで上がり、混むだろう宝剣、木曽駒をパスして、南へ空木岳へと縦走することとした。
宿泊は、空木岳下の駒峰ヒュッテ。シュラフ持参で泊まれるはずだ。
ところが、天気予報は芳しくない、土曜の昼過ぎになれば、風雨は治まり、晴れてくるというのが、直前の予報。
普通は雨なら登らない主義だが、途中から晴れるなら、そういう時のための装備だ。
行くことにする。
深夜に自宅を出て、上信越道、一般道、岡谷から中央道、と経て、バス停のある菅の台の駐車場に未明に到着、仮眠してバスを待った。
早朝のバスセンター、長いバス待ちの列ができている。

バスは何台も出て、しらび平へと登山客を運び、到着した登山者はロープウエイで千畳敷へと登っていく。
ベルトコンベアのようなものだ。
かのグループは、バスセンターでの列で、自分の随分後ろに並んでいたので、見つからずに済み、先に千畳敷に到着することができた。
ただ、外は真っ白。完全なホワイトアウトだ。

身支度を雨具で整え、出発するだけにして、彼らの到着を待つ。
で、なーんだあってことで、記念撮影。


すぐさま、お別れ・・・・彼らは木曽駒のピストンで日帰り。残念なお天気だ。
こちらは極楽平を目指す。宝剣岳はパスだ。



極楽平で稜線に出ると、激しい風と雨だった。
そこにいた年配の男性が、引き返した方がよいと登ってくる登山者一人一人に行っている。
しかし、連れの何人かのご高齢のご婦人たちはそのまま風雨の中に立たせたまま、いつまでもとどまったままだ。
何がしたいのだろう。
確かに風雨は強いが、特別とも思われないので、雨具上下、ザックカバーを装備し、稜線を南に向かって歩きはじめる。
そもそも、直前に確認した予報は、昼からは晴れだ。それがなければ降りている。







雨は激しく、風も強いので、カメラはしまって、スマホの写真だ。
しばし、桧尾の避難小屋で様子見をしようとしたが、桧尾の頂上についてみると、大勢の団体がいて、ワイワイ騒いでいる。
休憩しようと、少し降りると、風がさえぎられ、雨も弱まって、平穏な感じになってきた。
進んでもよさそうだ。





この縦走路、視界がないのでさだかではないが、かなり登り甲斐がある。



岩場を通過するが、そんなに一般道的でもない。微妙なトラバースもあったりする。


熊沢岳を過ぎると、雨もやんだりするようになり、明るくなっていた。ほぼ、昼だ。

下りで、上を見上げると、太陽の輪郭が見え、陽射しを感じて、温かくなる。






木曽殿小屋へと下る。かなり急下りだ。

木曽殿小屋が真下に。

木曽殿小屋を見おろしてしばし立ち止まっていると、雲がどんどん上がって、青空が見えてきた。
それと同時に、空木岳の姿が現れてきた。
おおっ、ここを登るのかあーーーっ、と呆然とする。ここまで風雨の中、結構きつかったが、ここにきて、この急登なのだ、


木曽殿から、来た方向を振り返る。

10分ほど木曽殿で休憩し、意を決して登りにかかる。



振り返ると、後続のパーティーのカラフルな姿が見下ろされる。

左のスカイラインを辿っていくが、その先はまだまだ頂上ではない・・

木曽殿へと下ってきた道を振り返ってみる。

真下に見える、木曽殿山荘。






ハシゴやクサリが次々に現れ、いくつの岩のピークを越えていく。

ピークはあの向こうにあるのだろうか。


池山尾根の上部にある駒峰ヒュッテが見える。頂上はすぐそこだ。


疲れ切って、頂上。もう四時近い。

さっさと下ると、ヒュッテまでは頂上から数分だ。15時59分に到着。

寝床を確保し、シュラフを広げ、バルコニーで夕食の準備だ。いい加減腹が減った。

と、なんとなんと、ロイさんがいた。
初めは、離れたテーブルにいたのに気付いたが、本人か自信なく、共通の友人(raymariさん)にLINEで隠し撮り(笑)した写真を送り、確認したもらってから、声をかけた。
ブルーロイさん、昨年の笠取山の鍋オフ会以来だ。

望遠で見ると、頂上の登山者がよく見えます。

駒ケ根あたりの街がすぐ下です。町も夕暮れ。一日、最後は平穏に終えられました。
明日、下るだけです。

友人と誘い合わせて登ったのは9月末の事で、すっかりお天気が悪かった。
ロープウエイであがり、千畳敷から木曽駒、宝剣岳を目指すはずだったが、雨は大して降らなかったものの、濃いガスで何も見えなかった。
木曽駒のピークも宝剣の頂も、白い背景の中に過ぎなかった。
とまったのは宝剣山荘。買ったばかりの灯油コンロマナスルを使いあぐねたのを覚えている。
そういえば、コッヘルも初めて買ったものだった。
あれから幾星霜。
それほど大げさではないが、とんと行く機会はなかった。場所が中途半端で行きにくい気がしていたこと、ロープウエイ経由ならハードルは低いが、混んでいるだろうこと、それより南はハードな印象がある。
交通の便も,良いとは言えない。
そんな中央アルプスにひょんな機会が巡ってきた。
以前facebookの山好きグループのイベントで八ヶ岳に登った際に、仲良くなったグループが、中央アルプスで再会登山をするというのだ。直接彼らのチームではないが、最後尾のけつもちリーダーをしていたせいで、ラストにいたそのチームの皆さんとは同一行動をしていたようなものだ。
では、直接お誘いはされていないが、現場でばったりすればよい。
そして別のコースに登れば、出会いだけで済む。
というわけで、ロープウエイで上がり、混むだろう宝剣、木曽駒をパスして、南へ空木岳へと縦走することとした。
宿泊は、空木岳下の駒峰ヒュッテ。シュラフ持参で泊まれるはずだ。
ところが、天気予報は芳しくない、土曜の昼過ぎになれば、風雨は治まり、晴れてくるというのが、直前の予報。
普通は雨なら登らない主義だが、途中から晴れるなら、そういう時のための装備だ。
行くことにする。
深夜に自宅を出て、上信越道、一般道、岡谷から中央道、と経て、バス停のある菅の台の駐車場に未明に到着、仮眠してバスを待った。
早朝のバスセンター、長いバス待ちの列ができている。

バスは何台も出て、しらび平へと登山客を運び、到着した登山者はロープウエイで千畳敷へと登っていく。
ベルトコンベアのようなものだ。
かのグループは、バスセンターでの列で、自分の随分後ろに並んでいたので、見つからずに済み、先に千畳敷に到着することができた。
ただ、外は真っ白。完全なホワイトアウトだ。

身支度を雨具で整え、出発するだけにして、彼らの到着を待つ。
で、なーんだあってことで、記念撮影。


すぐさま、お別れ・・・・彼らは木曽駒のピストンで日帰り。残念なお天気だ。

こちらは極楽平を目指す。宝剣岳はパスだ。



極楽平で稜線に出ると、激しい風と雨だった。
そこにいた年配の男性が、引き返した方がよいと登ってくる登山者一人一人に行っている。
しかし、連れの何人かのご高齢のご婦人たちはそのまま風雨の中に立たせたまま、いつまでもとどまったままだ。
何がしたいのだろう。
確かに風雨は強いが、特別とも思われないので、雨具上下、ザックカバーを装備し、稜線を南に向かって歩きはじめる。
そもそも、直前に確認した予報は、昼からは晴れだ。それがなければ降りている。







雨は激しく、風も強いので、カメラはしまって、スマホの写真だ。
しばし、桧尾の避難小屋で様子見をしようとしたが、桧尾の頂上についてみると、大勢の団体がいて、ワイワイ騒いでいる。
休憩しようと、少し降りると、風がさえぎられ、雨も弱まって、平穏な感じになってきた。
進んでもよさそうだ。





この縦走路、視界がないのでさだかではないが、かなり登り甲斐がある。



岩場を通過するが、そんなに一般道的でもない。微妙なトラバースもあったりする。


熊沢岳を過ぎると、雨もやんだりするようになり、明るくなっていた。ほぼ、昼だ。

下りで、上を見上げると、太陽の輪郭が見え、陽射しを感じて、温かくなる。






木曽殿小屋へと下る。かなり急下りだ。

木曽殿小屋が真下に。

木曽殿小屋を見おろしてしばし立ち止まっていると、雲がどんどん上がって、青空が見えてきた。
それと同時に、空木岳の姿が現れてきた。
おおっ、ここを登るのかあーーーっ、と呆然とする。ここまで風雨の中、結構きつかったが、ここにきて、この急登なのだ、


木曽殿から、来た方向を振り返る。

10分ほど木曽殿で休憩し、意を決して登りにかかる。



振り返ると、後続のパーティーのカラフルな姿が見下ろされる。

左のスカイラインを辿っていくが、その先はまだまだ頂上ではない・・

木曽殿へと下ってきた道を振り返ってみる。

真下に見える、木曽殿山荘。






ハシゴやクサリが次々に現れ、いくつの岩のピークを越えていく。

ピークはあの向こうにあるのだろうか。


池山尾根の上部にある駒峰ヒュッテが見える。頂上はすぐそこだ。


疲れ切って、頂上。もう四時近い。

さっさと下ると、ヒュッテまでは頂上から数分だ。15時59分に到着。

寝床を確保し、シュラフを広げ、バルコニーで夕食の準備だ。いい加減腹が減った。

と、なんとなんと、ロイさんがいた。
初めは、離れたテーブルにいたのに気付いたが、本人か自信なく、共通の友人(raymariさん)にLINEで隠し撮り(笑)した写真を送り、確認したもらってから、声をかけた。
ブルーロイさん、昨年の笠取山の鍋オフ会以来だ。

望遠で見ると、頂上の登山者がよく見えます。

駒ケ根あたりの街がすぐ下です。町も夕暮れ。一日、最後は平穏に終えられました。
明日、下るだけです。

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