まだまだ、北西の寒風が吹きつけている。
ナイフエッジの通過に不安がよぎる。
振り返る、奥穂の頂上では、山田さんが手を振っている。

ジャンダルムを目指し、馬の背を通過する。
風が強くて、立ってはいられない。

道というより、岩を乗り越えていく感じ。歩きやすいところは、自分で選べと。

初めて恐怖心を感じたが、続々と来る登山者に、そうも言っていられない。
ひたすら、岩を乗り越え、前進すると、ほどなくジャンダルムの基部に着く。
道は左にトラバースして巻く。

ジャンダルムの南側は北西風がさえぎられ、暖かい陽だまりだったが、そこに荷を置いて、ジャンダルムの頂上へは
すぐ往復できる。

ジャンダルムから、西穂への稜線を見ると、尖がった西穂の頂上は指呼の間に見えるが。。

振り返ってみた、槍穂高の稜線。こういうアングルの光景は、新鮮だ。


岳沢を覗くと、真下に岳沢小屋が見えた。

上高地から乗鞍岳。のびやかな風景が広がる。

さあ、ジャンダルムを越えたら、この岩峰を乗り越えて進むしかない。


ナオキ君は余裕だ。



天狗のコルに到着。岳沢ヒュッテというのが、指導標の古さを感じる。

風をよけ、岳沢側で、ナオキ君とのんびりと昼食にする。温かい日向ぼっこだ。

天狗のコルに突き上げる天狗沢の道を、登山者が上がってくる。まるで垂直の道のようで、なかなか上がってこない。

コルには避難小屋の跡がある。


腹をこしらえたら、さらに前進する。まだまだ越えなければならない岩峰がそびえたっているから。








天狗の頭に到着。元気いっぱいのナオキ君。

疲れてきた。。

ここからは、奥穂から槍の稜線は、こんな風に見える。


前穂高岳から明神岳。岳沢はすっかり明るく、暖かい。


見下ろす上高地。

次は、間の岳を目指す。アップダウンに辟易してくる。



長ーい鎖をおりるが、鎖を信用するなという。

そびえたつ岩峰。こういうのが繰り返し出てくる。
ホント、体力勝負だ。


間の岳山頂。尖がっていた割には、てっぺんは平。


ようやく、前方に西穂高岳が見えてくる。やたらに尖がっている。

よじ登って、西穂高岳に着くと、前方に独標への稜線が、ぐんぐん高度を下げているのが見える。

西穂高岳山頂にて。
今日は、本当に大快晴だ。

やっとコンプリート、という気分になったが、
とてもとても、そんな甘いものではない。
この先は、とても長かったのだから。
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