じつは、双六に行く話に相乗りすることも考えていたのだが、その方が中止になり、
でも、せっかくとった休暇は有効活用したいので、
急遽、思いついたのは、いつかはと構想を温めていたコースの組み合わせ。
これも、他の方たちの計画に途中参入するために組み合わせを考えたもの。
結局、自分一人で、この組み合わせを実行することにした。
新穂高から白出沢を白出乗越の穂高岳山荘に直登し、
翌日、奥穂を越えて西穂高への稜線を長躯縦走するというもの。
テント泊三日。
で、やはり仕事を引きづり、休みの日も昼までパソコンに向かい、一泊目は車中泊とせざるを得なくなった。。
13時半に自宅を出て、高速を走り、佐久に出たとたん、広がる青空…
八ヶ岳など、雲一つない。。しかし、前方の北アルプスは、雲の中。。

松本トンネルを抜けると、前方に常念岳が大きいが、背後の雲は黒々としている。

寒冷前線の通過、そして西の高気圧との間に、南北の縦になった、間の狭い等圧線が…
これは冬型の形じゃないか。。と天気図を見た時は思った。
明日は荒天らしい。
安房トンネルを抜け、新穂高温泉までひた走る。
18時半ころ、ようやくついた無料駐車場、周囲は真っ暗だ。
半分ほど埋まっていて、車中泊の人たちもいるようだ。


クルマの脇で、コンロで湯を沸かし、カレーを作って食べ、19時には眠りについた。
ほどなく激しい雨となったが、それとてかすかな記憶となり、目覚めたのは午前三時半。
外を見ると満天の星だ。
周囲の車から、出発していく登山者のヘッドライトが見えるようになる。
ごそごそと準備。湯を沸かしてカップめんを食べ、荷物を整理して出発する。3時45分。
4時。新穂高のバス停付近、誰もいない。
右俣林道の方に少し行き、登山届のポストに届けを放り込む。
この先、真っ暗だ。
頭にヘッドライト、手に懐中電灯をもつ。

4時半ころ、穂高平への近道に入り、20分ほどで登りついた穂高平小屋前で、ザックを下ろして休憩する。

ひとり、後から来た登山者が先に行った。
うっすらと笠が岳が見えてきた。

5時ころになると、ヘッドライトはいらない。

白出沢の分岐に着いた。後ろから来た登山者一名とトレラン一名が、槍平方面へ足早に過ぎ去る。


ここから、林道を離れ、一気に白出沢乗越へと突き上げていくのだ。


落ち着いた、静かな道が続く。


雨上がりの秋の山道。


振り返ると、笠が岳の方は、少し青空が見えている。疑似晴天か。

休憩し、スパッツをつけた。その間、二人の登山者に追いつかれる。
年輩の方は、休まず先に行かれた。

先行する年輩の登山者の方。
ずいぶん小さなザックだと思った。500のペットボトルを三つもっていた。
小屋のスタッフかな、と思ったが、そうではなく、この後、かなり上まで登った地点で、
この方の降りてこられるのに出会うことになる。
相当冷え込んでいたため、装備に不安を感じ、引き返した、とのことだった。


晴れていれば、もっときれいなのだろうけれど。


涸沢岳の岩峰が、沢の奥に見えてくる。




奥に見えているのは、白出ノ大滝。

紅葉に彩られている。



振り返る。ずいぶん距離は稼いだが、高度はまだまだ上げていない。


押し出している沢。この狭い沢を詰めていく。

重太郎橋で対岸に渡り、長いハシゴを登る。



梯子を登ると、切り立った岸壁をへつる道になる。






左から鉱石沢が合流する。最後の水場。水を二リットル汲んだ。



正面に、白出沢の本谷が見えてくる。左の広い沢は、荷継沢。間違えやすいという。

せまく、そして急に突き上げる白出沢。あとは詰めていくだけだ。

荷継小屋跡。穂高小屋建設の名残だ。

ただっ広い荷継沢。

いよいよ、白出し乗越めざして登る。






追い付いてきた、若い登山者。彼とは、結局、翌日、ともに西穂高まで同行することになる。

先行していく、若い登山者「なおき」くん。
上部はガスって、見えるはずの乗越と山荘は見えない。

登るにつれ、ガスが濃くなり、気温が下がってくる。
そして風が強くなってきた。気圧配置が、寒冷前線の通過とともに、冬型になってきたためだ。

数えてみたが、前後して、この日は7人の登山者が、ここを上がった。
前述の一名の方が引き返したが、後の六人は登り切り、山荘やテントに泊まって乗越で夜を明かすことになる。



雨も吹き付け、結局カメラもしまい、上下の雨具を身につけて、登り続けた末、12時ジャストに乗越に登りついた。
すぐさま山荘に入り、荷を解く。
テント泊に予定だったが、寒風の中を登っている際に、テント泊の気は失せていた。
広い山荘はそれほど混んではおらず、寛ぐことができた。

雨は大した降りではなかったが、風の強さと冷たさは相当だった。



そんな中でも、奥穂へと登っていく登山者はかなりの数がいた。



その夜、雨は雪になった。
うっすらと山荘の前庭も雪をかぶった。

天気予報に注視し、明日の予定の議論があちこちで交わされる夜となった。
自炊し、最後に同行した、Yさんと9時ころまでしゃべっていたが、消灯後はすぐに寝入ってしまった。
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