いよいよ、天狗岳へ森林限界を超えて、頂上への雪壁に取りつく。
八ヶ岳は、雪山入門の山で、特に天狗岳はそういわれることが多いけれど、
ここからの登りは、アイゼンなど、雪山装備に慣れない登山者が苦戦するところだ。


エビの尻尾


ここから、雪の急斜面を、アイゼンを利かせて登っていく。
トレースがついていると、ステップになっていて、アイゼンの爪が雪をとらえにくいこともある。
いずれにしても、怖がらず、体をしゃんとして登れば、実は怖くない。

天狗岳の東壁の向こうに、硫黄岳の爆裂火口壁が、顔をのぞかせる。


振り返れば、北八ヶ岳ののびやかな山々の全貌と蓼科山、そして左後方に美ヶ原、そして遠方に北アルプスの峰々が白い。

台地のような中山と切り立った壁が顕著な稲子岳の間の奥に、ちいさな「にゅう」の突起がみえ、遠くに浅間山が白い頂を見せている。

着いた!!、東天狗岳の頂上だ。
後方は、真っ白なおまんじゅうのような西天狗岳と、右後方、遠景に乗鞍岳だ。

中央アルプスの峰々。

ここだけ、寒風が吹きすさぶ。北アルプスから乗鞍岳の白い峰々の遠景をバックに。

南八ヶ岳の峰々と、南アルプスの北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳。

左から、硫黄岳、赤岳、小さな中岳、そして阿弥陀岳。
ちょうどひと月前、権現岳から裏側から赤岳から阿弥陀岳の稜線を間近に見ていたな。

南アルプス。北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈岳。手前は、峰の松目。

白くそこだけ雪をかぶった、金峰山と、奥秩父の山々。

硫黄岳の爆裂火口の絶壁。

御座山の稜線の向こうに、先週登った、両神山が顔を出している。
あの日は天気が良かったけれど、向こうからの八ヶ岳は雲の中だった。

広角で。御座山から金峰山への奥秩父の山の連なり。


見下ろすと、ど真ん中に、みどり池としらびそ小屋が見えた。

西天狗岳へ、点々と登山者が向かう。

頂上から、南への稜線にはトレースがなく、小規模だが、雪庇が出ている。

展望は見飽きないが、いつまでも寒風に吹かれているわけにもいかない。下山だ。

頂上を振り返る。東壁の突き上げのてっぺんにある。



妙高・黒姫の峰々が、遠くに見える。手前は、北八ヶ岳の山々。

右端、浅間山と、左へ連なる連山。黒斑山はどれかな。


今回がデビューの新しいアイゼン。買い替えたの、〇十年ぶりだ。ワンタッチだが、いまいち不安。
アルミで、軽い。

浅間山の右に、遠く谷川岳など上越国境の山々が、遠くに見えた。
手前のにゅうの突起がつつましい。




中山峠から、樹林帯をどんどん下っていく。

下りは早い。あっという間に、稲子岳の東壁が高く見えるところまで下ってきた。さっきまではるかに見下ろしていたと思ったのに。



本沢温泉の分岐まで来たら、みどり池はすぐそこだ。

みどり池としらびそ小屋。

みどり池から、東天狗岳とその東壁を見上げる。
東壁から、ずいぶん雪崩が落ちている。朝見たときは、雪崩の跡は見えていない。午前中に落ちたものばかりだ。


春山は、登ってきた後の、この昼の暖かい日射しの、雰囲気がいい。
ホントは、のんびりお茶でもしたいところだけれど。

荷物を整えて、下山。
午後の日射しと落葉松の疎林。


唐沢橋。下ってきた。


お疲れ様の三人パーティー。ここで解散です。ボンネットの上のひまわりは、昨年亡くなった方の思い出。
ありがとう。

里への道から振り返った、午後の八ヶ岳。
今日はいい日だったね。

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