と思っていたので、近場の山に、日帰りで、いつも通りいこうかな、としか思っていなかった。
台風でひどければ、それもないだろうし。
ここでふと思いつき。
新しいテント。
台風は、絶好の試し張りのチャンスではないかと。。
で、そこそこの準備をして、駐車場から近いテント場を物色したが、なかなか近場にいいところはない。
普通のキャンプ場では、なんかなあ・・なので、登山のためのテント場で探すと、
結局、奥秩父の大弛峠か、北八ヶ岳の白駒池。。
大弛の林道行くのは、運転しんどいから、結局、またいつかのように白駒池、になった。
日曜日、土曜日と違って、風も吹かないし、えらく暑いし、いい天気。。
なんですか。。
もしかして、とてもいい天気???
あせって、一時過ぎに家を出た。
関越道も、上信越道も、好天に気づいて急に出かけたっぽい車がピュンピュン走っている。
車は多いけど、ぐんぐん走っているので、いつもと変わらない時間で、下仁田で降り、内山トンネル抜けて佐久盆地に出る。
ちょっと、内山トンネル手前の荒船山を見上げてみた。
シンちゃんの作者の方が亡くなって、有名になったけど。

トンネル抜けてしばらく行くと、コスモス街道に出る。
この季節にとおるのは初めて。
駐車場があり、イベントもやっている。
コスモスって、確かにきれいで季節感あるけれど、
外来種で、固有種を駆逐する迷惑な種だってこと、みんな知っているのかな。

小海線沿いの道に出ると、なんとなんと、八ヶ岳が一望じゃないか。。
すごい天気だ。
稜線にいた方は、素晴らしい一日を過ごしたはず。
遠望がすごく利いていたんじゃないかな。。

あすはどうなのか。。ちょっと焦り始める。
こんなふうに佐久側の下界から、八ヶ岳の全貌眺めるの、久しぶりのような気がする。
R299メルヘン街道のぐねぐね道を通って、白駒池駐車場到着。
もともと天気が悪い予想だったせいで、それほど混んではないい。
今日になってきた人たちばかりだろう。



これは、もしかして、白駒池じゃなくて、高見石まで小一時間登った方がいいかな。
と思い出す。
高見石から、夕方の展望を眺められるし。
テント混んでないかな。。テント場、どんな広さだっけ。
小屋のイメージはあるけれど、テントを意識して見た覚えがない。
まあ、とにかく行こう。
パッキングできていないので、小一時間くらいいいだろうと、手提げ袋持ったまま行く。
ここは、等高線がうんと開いていて、緩やかな登り。一時間かからないはず。


時々降りてくる人たちに会う。
多くは、登山者というより、観光客。
北八つらしい森の中を速足に歩く。
上りらしい登りは、ない。
30分で着いた。
懐かしい小屋に入り、テントの申し込み。
テントも小屋前に、ふた張りだけ。それも、二人パーティーで一人ずつのテントらしい。
小屋の中も静かで、すいているみたい。


PuroMonte、初めて設営。
張り綱が、いつも使っているのより細く、滑る。
ペグがごく小さく、使いにくい。
ペグに引っ掛けるためのテントについているループの長さが足りない。ペグの挿し位置の自由度がせまくなる。
特に、このテント場は岩の上を表土というか森林の堆積物が薄く覆っているだけの、北八つ特有の土地なので、ペグがすぐ岩にぶち当たってしまうから、挿し位置をかなり選ぶ必要があるから、少々苦労した。
河原のテント場も、石にぶち当たることも多いので、この辺は大切。
だいたいは、周囲にある重そうな石を活用してペグを固定したり、ペグ使わずに張り綱を石に絡めて固定することも多い。
ペグは、軽さを追求するために小さくしすぎの感がある。ペグをひっかけるところも小さすぎて、すぐ外れたりする。
これは、重さをチェックして、今までのアルミのフック型の方がいいかも。
今回は、初めてのテストなので張り綱を張ってみたが、稜線でない限り、必要はない。すべりやすかったけれど、慣れれば使えそう。
あとは、フライシートが、前のアクシーズなんかより、ぺらっべらに感じるほど、薄い。これで軽くなっているのか・・本体も、そんな感じがした。
とりあえず、アクシーズと変わった構造上の大きな点は、入り口が長辺側にあること。
ベンチレーターがついていること。
これは、なかなか良かった。
で、時間かけて張った後、いよいよ、夕方の展望を見に、小屋裏の高見石に上る。
おーっ、すごいねぇ。。


夕食は、簡便にスパゲッティ調理中。

食べたら眠くなってきて、ちょうど目の前にカシオペア座がきれいに見えていて、下限の月の出るまではすごい星空だろうなあ。。と思いつつ、新品シュラフにくるまって、寝落ちてしまった。。
夢うつつに、星座の説明をしている小屋のご主人の声や、泊り客の声が聞こえていたけれど、起き出すには眠すぎ、そのまま夢の中へ。
物音に目を覚ますと、なんと五時すぎ。ご来光だっ。
あわてて、高見石に登る。
間に合った。
周囲が白み始め、遠くの山が薄いブルーに浮かび上がる。
それに、雲海がすごい。
こんな雲海、見たの久し振りかも。


しばらく経つと、来ました、ご来光です。

天気はどうなるのか、前夜のラジオの天気予報では、この日も暑く、良い天気とか。。
でも、雲が上がる前に天狗の頂上に行きたい。
ラーメンを作ってかき込み、それでも六時過ぎてしまって、15分頃出発。
風の音が、耳に入ってくる。
懐かしいような気がする。
この登りは、ゴロゴロ石でじめじめしている。
要は、歩きにくい。



中山の頂上まで、徐々に傾斜を強めて登っていく。
ちょっとオーバーペースでばてたが、そんなにかからず、中山の頂上を過ぎ、展望台に。
これはすごいよ。
南アルプスは天狗岳にさえぎられて仙丈岳しか見えないが、まったく雲のない中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、少し雲は沸いているが、北アルプスの西穂から奥穂、大キレット、槍ヶ岳、燕岳、立山、剣、鹿島槍、すごい展望だ。
さすが、秋空。
蓼科山と北アルプス遠望。

中央アルプスと御嶽山

遠く、立山、剣岳。右に鹿島槍ヶ岳へ。

これはもう、槍穂高。

真っ青な空に、白い下限の月が。

すこし行くと、東側の展望も開ける。
奥秩父の金峰山、そして手前に特徴的な天狗山、男山。


強い冬の季節風に、枝が偏った木々、色づき始めた木々の葉。


中山峠についた。ここから、天狗まで一気に登る。

振り返ると、にゅうの特徴的な小さな三角が見える。

けっこう風が強い。
見下ろす、稲子岳の岸壁。

木肌がきれい、そして天狗の頂上直下の岩峰が見える。


さあ、頂上です。
ここだけ、なぜか混んでる。
そのわけは、南からもどんどん登ってきているからだ。
背景に、金峰山から左に続く奥秩父の山々がまぶしい。

風はそんなでもなくなった。
西天狗と中央アルプス。

硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳の南八ヶ岳の山々はごく近い。
山並みが、怒涛のように見える。

南アルプスはすぐそこに、左から北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳。
北岳から右にいったところに、ちょこんと塩見岳が見えているのがいい。


中央アルプスは、まったく雲がない。

雲が巻き始めた北アルプス。

山ガールがたくさんいる。
「くも、ちょーきれい」なんて言っているのを聞くと、不思議な感覚と同時に、こういう自然の美しさにふれててくれるの、とても嬉しい。
というか、そのために苦労して登ってきているわけで、そのことに感心する。
ちゃんと耐えなければ、登ってくることはできないのだから。



あまり人気の山は行かないが、ここのところ、北アルプスに二度も行き、カップルでの山ガールや家族連れの山ガール、プチベテランの山ガールは見ても、ギャルっぽい山ガールとか、ほんと若い女性だけのパーティーとか、ここで初めて見た。
・・・というか、普段気にしていないのから気づかないのか。。。
山登りを始めた中学生のころから、幾星霜、山に来て、「若い女性らしい」若い女性を見ることなど、ついぞなかったよ。。
いったい、だれが始めたのかな、このブーム。
30分ほどのんびりしていたら、どんどん混んできたので降りる。
中山峠から、五分ほど足をのばし、黒百合平に行く。
乾燥してのどが渇き、一リットルあったアクエリを半分飲んでしまったから、ジュースでも買い、また集めている手拭いを買いにだ。



小屋前のベンチに腰かけると、風もなく、青い空、明るい陽射し、そして静かさに、のんびりした気分は最高潮になる。
登山者は二組くらい。
下山準備でのんびりしている。
小屋の中も、静まり返っている。
最高のひとときだね。
こういう時って、一人でいるのがいいのかね、それとも仲間といるのがいいのかね、一番一緒にいたい人といるのがいいのかな。。
山はほとんど一人だから、一人の楽しみ方に、こういうひと時は入っているよね。
ぼちぼちテントに戻ります。
中山までは、はじめは東の崖沿いの道を気持ちよくたどり、そのあと短いけれど、大岩ごろごろの登り。

途中、にゅうへの分岐。
中山頂上付近。


あとは、ゴロゴロの道をどんどん下る。

すべりやすくて気が疲れる。
あっという間に、高見石小屋前のテントに帰着。


11時。のんびりした割には早かったかな。
気分の良い、午前の散歩道。ちょっとハードでしたが。
小屋前のテラスで、お汁粉を注文して味わった。
450円。甘くて、おいしい。
学生のころに冬の黒百合平ヒュッテでたのんだお汁粉は400円だった。
値段、ほとんど変わっていないじゃん。
小屋前は、白駒池駐車場から上がってきた観光客がぞくぞく到着し、去っていく。
縦走して降りてくる人もいる。
のんびり、人の少ないテラスで過ごすと、眠くなってくる。
こんな気分の良いひと時ってあっただろうか。
その学生時代の冬の山の時、黒百合平から高見石まで来て、途中で出会った方と三人で、このテラスで明るい日差しを浴びながら、お昼の語らいをしたことを思い出す。
お互い初対面なのに、楽しい話をして、一緒に渋の湯に下り、茅野駅前で年輩の方に馬刺しをごちそうになった。
その方は、鍼灸師の方で目がお悪かったが、山歩きは問題ないとこと。
もう一人の若い方は少し年上でもうお勤めの方だったが、帰りの電車で、銀色に輝く南アルプスを眺めながら、その方が冬の北鎌尾根で遭難しかけた話を聞かせていただきながら、こちらが八王子で降りるまでご一緒した。
季節は違うが、このテラスの陽射しと気分は、その時のことを思い出させる。
ひとりでも、気の置けない関係がもてる状態の人と一緒でも、こんな気分と雰囲気を楽しめるのかな、そんな気もした。
そのお二人、二~三年は年賀状のやり取りがあったが、その後記憶の中から消えていった。
帰りは、白駒池に直接下り、観光客を縫って、駐車場までの森の道を少しだけ歩いて、この幸運な山の終わりとした。




追って…
来週は、同僚の求めに応じて槍ヶ岳に行くのだけれど、天気、大丈夫だろうか。。不安。。
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