あそこから一気にここまで登る道がありますが、すごい高度差です。
蒲田川沿いの道は、何度もたどっていて、なつかしい。

いよいよ、下ります。
なんだなんだで、今日中に帰ろうということになり、上高地まで1500mの大下りです。

白出のコルに向かって下ると、正面に涸沢岳とその斜面に刻まれた登山道がよく見えます。
槍ヶ岳の方から、岩稜帯の上下を繰り返して攀じてきて、涸沢岳を超えると普通の道に変わり、ほっとしたことを思い出します。

穂高岳山荘はすぐ下に見えますが、ほとんど最後は切り立っていて、鎖やはしごが連続し、擦れ違いで待ち時間が多くなります。
従って、見えている山荘に中々着きません。



白出のコルの穂高岳山荘から、涸沢を見下ろします。
正面の屏風岩の頭が低く見えます。
あの周囲をぐるっと回って帰るのです。

コルから涸沢への下りは、ザイテングラードと、なぜかドイツ語みたいに呼ばれる、要は支稜です。
下り始めは、まだまだ残っている雪渓を渡ります。

前穂高岳からの北尾根は、本当に特徴的です。

このルートで特筆すべきは、やはりお花畑ですね。
シナノキンバイの黄色い花が、一面に広がっています。ミヤマキンポウゲもあったような気がする。

白いのは、ハクサンイチゲかな。


前穂の北尾根は、いくら見ても見飽きない。
辿ったことはないけれど、一度は行きたい。
左から6峰、5峰、4峰、そして本峰(1~3峰)。
いくには、ザイルいるけど。

傾斜は十分急で、元気な中高年登山者の団体がどんどん登っていきます。


急なくだりを終え、カールの底を左に回っていきます。
まだ、雪渓の上も、上手に行けばしばらく下れます。

見上げると、小屋は見えませんが、白出のコルが見えています。

涸沢岳。 右のとんがったのは、「涸沢槍」と呼ばれる尖塔。
誰かが、「あっ、槍ヶ岳だ」なんて叫んでました。
下から見ると、確かに、まさに槍ヶ岳。

見ていると、ヘリが飛んできました。
旋回しつつ、涸沢ヒュッテのヘリポートに何かを下ろし、すぐ飛んで行ってしまいました。

涸沢小屋のテラスにたどり着き、休憩です。
まずは、生ビール、そしてソフトクリーム。
おはぎも売っていましたが、それは我慢。
でも、うまそうだった。。。。


カール底からの前穂高と吊尾根。まだ七月なので、雪渓も大量に残っています。

さて、涸沢小屋に別れを告げ、いよいよ下山です。


吊尾根がだんだん遠くなります。
なんか、名残惜しい。

行く手の左側には、横尾の本谷が見えています。
あそこを辿って、槍と穂高の稜線、大切戸の最低鞍部に突き上げていくコースを、一度は行きたいな、と思ってしまう。


急な下りをジクザクに辿り、本谷の流れにおりつく。
ここまでの道、素晴らしく手入れされていて、アスファルト道路の様だった。
下りも、すいすい下れた。
やはり、日本でも有数のメインルートだけある。
明日は平日だからか、ご高齢の方々の団体登山者と、何度もすれ違った。

本谷橋を渡る。


見上げると屏風岩。


しばらく行くと、横尾の岩小屋跡。

涸沢からほぼ二時間、梓川にかかる、横尾の橋に来た。
大変立派な吊橋ができていて、びっくり。


ようやく、山道の下りは終わりだ。
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